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人を見る(スポーツ選手編)

 以前、GDVの導入先の企業の方から、ケアをしているオリンピック選手の状態を見て欲しいと依頼がありました。このオリンピック選手は、最近スランプ状態で、次回のオリンピック参加の選考会に、通過するがどうかというギリギリのラインらしく、ある意味、藁にもすがりたい思いで、スポーツの専門家でもない、私に相談をされてきたのです。

 私に送られてきたのは、測定データのみ。このような条件の中、データをどのように判断するかは、難しいところがあります。私自身、この選手の年齢、競技内容、一般的なスポーツ選手の競技生活、今の諸状況などを考慮に入れて、こちらの測定結果を伝えて、その選手の状態と合致しているか確認した上で、以下のアドバイスをしました。

1 疲労の蓄積

 スポーツ選手は、競技の日に向けて、ベストコンディションを整える必要があります。身体に負荷をかけすぎたり、疲労を蓄積させるケースが多くあるのです。特に、精神的に緊張があるうちは、自己の身体に蓄積された状態を正しく認識することが困難です。GDVは、ロシアのオリンピック選手の年間を通したコンディション管理に使用されており、コンディション管理は重要でなものとして位置づけられています。適切に、心身のケアまたは休息をとり、疲労の回復を努めましょう。経験上、とにもかくにも、スポーツ選手は、身体の酷使をしすぎです。長期的に競技生活を続け、コンスタントに結果を出し続けるなら、心身のケアは、大きな課題になります。

2 身体の使い方に偏りがある

 私自身、スポーツ選手が、最高のパフォーマンスを出す条件は、二つあると思います。
その二つとは、
①身体のバランスの取れた使い方
②メンタルの強さ です。
測定結果を見る限り、通常の人とは、比較にならないほど、バランスが崩れています。これは、身体の使い方のバランスが取れていないということです。力みがある状態で、身体の一部分にのみ力が入っているといえます。身体全体のバランス、例えば左右の力がバランスが取れているなら、必要以上の力みがなく、どのような状況においても、瞬時に対応できるパフォーマンスが発揮できます。力みがある箇所は、リラックスさせながら、逆側をトレーニングするなどして、なるべくバランスの取れた身体状態にしていただくようなプログラムを導入するように勧めさせて頂きました。

3 メンタル面でのフォロー

 短時間の競技において、最大限の結果を出すためには、高いモチベーションと集中力が必要とされます。GDVは、POMS(気分プロフィール検査)と、非常に相関性が高く、一流のスポーツ選手で求められる、「緊張」「抑うつ」「怒り」「活気」「疲労」「混乱」の評価項目の中で、「活力」のみ高い、アイスバーグ型のグラフになる必要があります。この選手のデータを見る限り、そのような傾向が見られず、メンタル面の改善が必要とされました。個人的意見として、まずは、GDVの測定をおこないながら、疲労の蓄積のケアや身体のバランスの取れたトレーニングをおこない、ベストなコンディションに戻し、以前のようなベストなパフォーマンスができる状態になった時点で、必要であるならメンタル面における対応を取ることを勧めました。

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