水を知る1:水の定義1
- 2012/02/03 18:26
- Category: 水の科学
GDVでは生体の測定だけでなく、水の測定も大きな内容として存在します。水は、私たちの生命にとって、生命活動を維持する上で欠かすことのできない大切なものでありながら、まだまだ分かっていない部分も多くあります。「水を知る」とのテーマで、水の世界の探究をしたいと思います。
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まず、何を水と表すのでしょうか。水は、「水素と酸素の化合物」であると定義することが出来ます。
水は水素と酸素の化合物である。化学式はH2Oで表される。
化学式を見れば分かりますが、水は二つの水素と一つの酸素が結合した物質です。
水素とは、原子番号1の元素で、あらゆる元素の中で最も軽い物質です。ビックバンにおいて最も最初に形成された原子で、宇宙に存在する原子のうち、91%を水素が占めるという豊富な原子です。
水素原子の構造は、中心に原子核があり、電子は1つだけ、核の周辺に存在します。
酸素とは、原子番号8の元素で、多くの元素と結合して化合物を作ります。宇宙における酸素原子の割合は全体の0.1%。水素に比べて著しく少ないですが、それでも全元素中第二位の存在率です(第三位の炭素は0.05%)。
酸素原子の構造は、水素原子よりも複雑です。中心にある原子核は、陽子8個・中性子8個で形成されています。その原子核の周囲に、合計8個の電子が存在しています。
画像
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_54/ から
水素とは何か、酸素とは何かも、突き詰めて行けばとても深いテーマになりますので、今のところはここまでの定義で置いておくことにします。
つまり水は、宇宙の中で最も多く存在している2つの原子から成立している化合物であります。非常にありふれている存在ですが、その物性は極めて他の物質とは異なる性質を持っています。
次回から、水の定義を更に追いながら、少しずつ水についての理解を深めていきたいと思います。
参考書籍:H2Oの生命科学―細胞生命のしくみ(著:中村 運)