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水を知る2:水を構成する水素と酸素1

 水分子は水素原子2つと酸素原子1つが結合している分子です。ですが、水素と酸素はそれぞれ1種類だけではありません。というのは、それぞれの原子を構成する原子核に、質量の異なる同位体が存在するからです。

同位体
 原子核は陽子と中性子によって構成されています。

原子番号=陽子の数
質量数=陽子の数+中性子の数

 陽子、中性子、原子番号、質量数には上記の関係が成立しますが、原子番号が同じなのに、質量数が異なる元素が存在します。つまり、「中性子の数が違う」元素です。これを同位体と呼びます。

 天然で存在する水素、酸素のの同位体は3種類です。ですが特殊な環境下においてのみ、水素は更に4種類、酸素は更に14種類の同位体が存在します。

同位体存在度(天然で存在するもののみ)
水素1(原子核に陽子が1個の元素。軽水素)
99.985%

水素2(原子核に陽子が1個/中性子が1個。重水素)
0.015%

水素3(原子核に陽子が1個/中性子が2個。三重水素)
微量

酸素16(原子核に陽子が8個/中性子が8個)
99.762%

酸素17(原子核に陽子が8個/中性子が9個)
0.038%

酸素18(原子核に陽子が8個/中性子が10個)

重い水と軽い水
 何らかの方法により同位体を濃縮することで、様々な同位体の組み合わせを持った水が出来ます。水素は軽水素から重水素、三重水素になることで質量が2、3倍と跳ね上がります。したがって、通常の水と比べて物性が大きく異なります。

参考書籍:水の書 (PNEモノグラフ)(著:荒田 洋治)