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天然は100%安全?いいえ、そうではありません。

天然のものと合成のもの、どちらが安全だと思うか尋ねられると、多くの方が天然のものだと答えるのではないでしょうか。私もその一人です。

エッセンシャルオイルは天然由来のものですが、天然で薬効があるからこそ、副作用もあります。日本ではエッセンシャルオイルは雑貨の扱いですが、
それぞれに応じた適切な使用をしないと、思わぬ副作用に見舞われることもあります。

例:接触皮膚炎が懸念されるエッセンシャルオイル成分

シトロネラル(ユーカリなど)
チモール(タイムなど)
オイゲノール(クローブなど) 等

例:アレルギー性接触皮膚炎が懸念されるエッセンシャルオイル、成分

ラベンダー油
レモングラス油
ティートリー油
ローズマリー油
ピネン
メントール 等

光毒性が懸念されるエッセンシャルオイル

ベルガモット油
ライム油
グレープフルーツ油 等

参考
補完・代替医療メディカル・アロマセラピー
今西二郎
金芳堂

エッセンシャルオイルをブレンドするときの注意点

天然のエッセンシャルオイルには数10~数100種類の成分が含まれていますが、その中には薬理効果のあるもの、香りの主成分となるものがあり、アロマテラピーをする上でオイルの成分を知ることはとても大切です。
現在ではガスクロマトグラフィーなどによって、かなり正確な成分を検出することが出来ます。

ところでアロマテラピーをするときはオイルをブレンドすることがよくあります。
数10~数100種類ある成分が、掛けあわされるわけですので、成分同士が反応してプラスに働くこともあれば(相乗作用)、マイナスに働くこともあります。
一般にブレンドをすると成分が互いに強め合うといわれていますが、6種類以上ブレンドすると逆効果になるとも言われています。

例えば、レモングラスにはシトラールが多く含まれています。シトラールは皮膚に対して刺激性や感作性などの毒性を示すもので、単体で使用すると刺激過多です。
ですが、そのシトラールはd-リモネンやα-ピネンが存在するとその毒性が弱められる傾向にあります。となるど、レモングラスはそれらの成分が最高90%含まれているグレープフルーツオイルとブレンドすると安全に効果的に使用できます。

エッセンシャルオイルは自然から抽出したパワーが凝縮されたようなもの。
上記のようにオイルの特性を知り、組み合わせを考えることでオイルは毒にも薬にもなると考えられます。

参考
補完・代替医療メディカル・アロマセラピー
今西二郎
金芳堂

エッセンシャルオイル(精油)の定義

エッセンシャルオイル、と聞くと「あー花とか植物から抽出したオイルでしょ」と答えられますが、厳密に定義しようとしたとき、返事に窮してしまうことは無いでしょうか。
ここで、今西次郎氏著書の「補完・代替医療メディカル・アロマセラピー」12ページに記載されているエッセンシャルオイルの定義を抜粋します。

「エッセンシャルオイル(精油)とは、様々な芳香性植物の全草、花、葉、根、趣旨などから抽出された100%天然の、比較的沸点の低い低分子量の非水溶性の混合物である。」

芳香性植物とは、その名の通り、香りのある植物。ローズマリーやタイムなど、料理に使用するハーブは勿論、バラやラベンダー、ジャスミンなど香りがする花などのことです。
その他、レモンやオレンジ、柚子など柑橘系の果物から圧縮されたオイルなどもあります。

香りの分類

香水は香りの組み合わせによって多種多様な香りを呈しますが、香りのグループ分けをすることが出来ます。
ここで、代表的なグループ分けをご紹介します。

1.グリーン…瑞々しい、さわやか、ナチュラル
2.シトラス…フレッシュ、清涼感、快活な
3.フローラル…エレガント、華やか、優雅
4.フルーティ…キュート、若々しい、ジューシー
5.ウッディ…静か、繊細、落ち着きのある
6.シプレ…洗練された、気品のある、シックな
7.フレア…ダンディ、上品な、深みのある
8.マリン…瑞々しい、軽やか、透明感のある
9.グルマン…可愛らしい、若々しい、お菓子の香り
10.スパイシー…インパクト、オリジナリティ、パワフルな
11.オリエンタル…官能的、情熱的、セクシー

参考
香水のゴールデンルール
新間 美也
原書房

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