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人にやさしい医療現場

 診察室に入り、医師や看護師を見ることで、緊張して血圧が上がる白衣症候群という人がいる。
ここまではなくとも、たいていの人は、病院に行くと、心が緊張したり、不快感を感じると思う。
 この点に関して、かなり配慮されてきている病院が、多くある話を聞くが、院内に自然や自然色のものがあったり、心が癒されるような建物の構造やデザインがあるなら、患者も少しはリラックスして診察を受けることができ、また治療の効果も上がるのではないだろうか。

エコロジーと共通するGDVの考え方

 現代文明の経済は、物質としての商品の生産と流通、機械化されたものである。これを現代科学に当てはめて考えるなら、人間という存在をバラバラな物質の集合体として考え、機械のように動くシステムだと考える。
 それに対して、エコロジーとは自然との調和、自然のリズムに合わせ、自然のエネルギーを使用した社会を目指すものである。GDVは、ある種の生体のリズムを見ているとも言え、また、東洋医学に通ずる生体のエネルギーを見ていると言える。
 GDVは現代の科学や人間観を土台としながら、エコロジカルな視点から人間を理解しようとしている。これは、現代科学文明と自然主義の融合という一つの世界観を形成することが出来るのではないだろうか。

人を見る(意識編)

 年齢等の条件によって、単純に言うことが出来ませんが、指からの発光は意識の方向性と関係しているように思われます。意識の方向性とは、外向的・内向的な状態を表しています。例えば、スポーツ選手の極度な精神集中状態、知的な作業をした場合等では、指からの発光が意識と連動して内側に引くような印象があります。逆に、リラックスをしたり、心が解放されると発光状態が大きくなる傾向があります。

人を見る(スポーツ選手編)

 以前、GDVの導入先の企業の方から、ケアをしているオリンピック選手の状態を見て欲しいと依頼がありました。このオリンピック選手は、最近スランプ状態で、次回のオリンピック参加の選考会に、通過するがどうかというギリギリのラインらしく、ある意味、藁にもすがりたい思いで、スポーツの専門家でもない、私に相談をされてきたのです。

 私に送られてきたのは、測定データのみ。このような条件の中、データをどのように判断するかは、難しいところがあります。私自身、この選手の年齢、競技内容、一般的なスポーツ選手の競技生活、今の諸状況などを考慮に入れて、こちらの測定結果を伝えて、その選手の状態と合致しているか確認した上で、以下のアドバイスをしました。

1 疲労の蓄積

 スポーツ選手は、競技の日に向けて、ベストコンディションを整える必要があります。身体に負荷をかけすぎたり、疲労を蓄積させるケースが多くあるのです。特に、精神的に緊張があるうちは、自己の身体に蓄積された状態を正しく認識することが困難です。GDVは、ロシアのオリンピック選手の年間を通したコンディション管理に使用されており、コンディション管理は重要でなものとして位置づけられています。適切に、心身のケアまたは休息をとり、疲労の回復を努めましょう。経験上、とにもかくにも、スポーツ選手は、身体の酷使をしすぎです。長期的に競技生活を続け、コンスタントに結果を出し続けるなら、心身のケアは、大きな課題になります。

2 身体の使い方に偏りがある

 私自身、スポーツ選手が、最高のパフォーマンスを出す条件は、二つあると思います。
その二つとは、
①身体のバランスの取れた使い方
②メンタルの強さ です。
測定結果を見る限り、通常の人とは、比較にならないほど、バランスが崩れています。これは、身体の使い方のバランスが取れていないということです。力みがある状態で、身体の一部分にのみ力が入っているといえます。身体全体のバランス、例えば左右の力がバランスが取れているなら、必要以上の力みがなく、どのような状況においても、瞬時に対応できるパフォーマンスが発揮できます。力みがある箇所は、リラックスさせながら、逆側をトレーニングするなどして、なるべくバランスの取れた身体状態にしていただくようなプログラムを導入するように勧めさせて頂きました。

3 メンタル面でのフォロー

 短時間の競技において、最大限の結果を出すためには、高いモチベーションと集中力が必要とされます。GDVは、POMS(気分プロフィール検査)と、非常に相関性が高く、一流のスポーツ選手で求められる、「緊張」「抑うつ」「怒り」「活気」「疲労」「混乱」の評価項目の中で、「活力」のみ高い、アイスバーグ型のグラフになる必要があります。この選手のデータを見る限り、そのような傾向が見られず、メンタル面の改善が必要とされました。個人的意見として、まずは、GDVの測定をおこないながら、疲労の蓄積のケアや身体のバランスの取れたトレーニングをおこない、ベストなコンディションに戻し、以前のようなベストなパフォーマンスができる状態になった時点で、必要であるならメンタル面における対応を取ることを勧めました。

はじめに

 多様化・複雑化している世界で、人はいかにこの世界を理解し、調和を見出していくか、また、人と人が理解し合うことが出来るのか。このテーマは21世紀という時代において、重要なテーマだと思われます。
 GDVのコンセプトは、従来の東洋思想に似ており、人が自然や環境を理解し、調和することであります。現代医学のような専門知識や検査数値で健康状態を把握することは、私たちの健康を維持する上で大きな利益となりますが、これに固執し過ぎると、生命活動をしている"人間"という存在をありのままに理解することが出来なくなる可能性があります。
 私たちは、対象に対する正しい理解を無くして調和や進歩というものを得ることは難しいことです。既存の知識や技術を活かしながら、それらを"人"や"自然"に押し付けない、"人"や"自然"を尊重した技術というものが重要になります。
 私たちにとって、有益な環境づくりや生活様式を生み出すための技術としてGDVは一つの可能性を有しています。

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