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GDVの背景・歴史・現状

バイオエレクトログラフィー

 GDVの原型となる技術は、古く、現象としては、1777年にG.C.Lichtenbergのコロナの放電の形状を記録したリヒテンベルグ図に始まり、人体の撮影としては、1892年、ロシアの.Nardkevitch-Yodkoの人間の手の記録に遡ります。高周波電磁場の下で生じる生物からの発光現象は、非常に神秘的で、現代まで多くの研究者を魅了し、様々な機器の開発や研究が行われてきました。特に有名なのは、1900年代前半のキルリアン夫妻の開発したキルリアンカメラが、世界的に広まったため、技術自体の名称をキルリアンカメラと呼ばれることが多くありますが、技術自体の名称は、バイオエレクトログラフィー(生体電気図)と呼ばれます。参考に、バイオエレクトログラフィーの研究をした一部の人の名前を年代順に記載します。

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 国内外にバイオエレクトログラフィーやキルリアンカメラの機器は、多く存在しており、私たちREIMEIは、海外の様々な機器の開発者と議論する機会をもちました。これらの機器は、測定の物理モデルは、共通していますが、測定の設計自体に違いがあり、各機器により、大きな違いがあります。GDVが登場するまでの、キルリアンカメラは、再現性が少なく、測定時のノイズが多いため、臨床分野での測定機器としての使用は難しいことが多くありました。

GDVカメラ

 GDVは、生体に対する影響を最小限に抑え、CCDカメラを使うことでの安定した撮影、高電圧の機器の影響を最小限に抑える技術などにより、再現性が高く、ノイズも最小限に抑えることが可能となり、臨床分野での使用において大きく前進しました。撮影画像をデジタル化することで、数値化が可能となり、多くの方が、測定データを共有できるようになりました。このことは、解析技術やソフトの開発に、著しい進歩をもたらしました。GDVの開発者コロトコフ博士によると、GDVは従来のキルリアンカメラと比較すると、メルセデスベンツと自転車ぐらいの差があるとしておられます。

GDVによる水の測定

 近年、水は様々な分野において、処理を施され、ニーズに応じた利用をされています。また、最近の研究で、水中の成分以外の要因、例えば磁場などにより水の性質が変化することを示唆され、成分分析以外の測定機器の必要性は高まってきています。そんな中、私たちは水の新しい測定手法としてGDV技術を提案します。

 GDVは、「GDVとは 」の記事にあるように、気体放電視覚化(Gas Discharge Visualization)の略で、気体放電視覚化を意味します。生体を測定する場合は、下図の左側のように主に手の指を用います。一方で、水を測定する場合は、下図の右側のように測定する水をシリンジから水滴として適量押し出し、電磁界に曝すことで生じる発光現象を解析します。

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 GDVでの水の測定の特徴は、従来の元素分析技術とは異なり、「水の機能」を測定する点にあります。この技術により、現代科学では理解が困難な水や溶液の理解が深まる可能性を有しています。