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GDVによる水の測定

 近年、水は様々な分野において、処理を施され、ニーズに応じた利用をされています。また、最近の研究で、水中の成分以外の要因、例えば磁場などにより水の性質が変化することを示唆され、成分分析以外の測定機器の必要性は高まってきています。そんな中、私たちは水の新しい測定手法としてGDV技術を提案します。

 GDVは、「GDVとは 」の記事にあるように、気体放電視覚化(Gas Discharge Visualization)の略で、気体放電視覚化を意味します。生体を測定する場合は、下図の左側のように主に手の指を用います。一方で、水を測定する場合は、下図の右側のように測定する水をシリンジから水滴として適量押し出し、電磁界に曝すことで生じる発光現象を解析します。

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 GDVでの水の測定の特徴は、従来の元素分析技術とは異なり、「水の機能」を測定する点にあります。この技術により、現代科学では理解が困難な水や溶液の理解が深まる可能性を有しています。

GDVとは

 GDVとは、1990年代前半、ロシアの、サンクトペテルブルグ情報技術・機械・光学大学(Russian University, St. Petersburg State Technical University of Informational Technologies)生物物理学、コンスタンチン・コロトコフ博士が開発した生体電磁物性技術を利用した測定機器で、GDVとは、測定時の物理プロセスの名前に由来した、Gas Discharge Visualization(気体放電視覚化)の略である。視覚化とは、生体から放出される電子やフォトン、これらの粒子の集団的である振る舞いであるエネルギーや場を、電磁界により増幅させ、放電現象として、視覚化することにあります。プロセスとしては、ガラス電極の上に置かれた測定物(主に生物)に、高周波電磁界を印加することで誘発されたフォトンによる発光現象をCCDカメラで撮影する技術です。人体の測定の場合、手や足を使用することが多いです。

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GDVカメラ

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撮影画像サンプル

撮影された画像はデジタル処理により、スペクトルに応じた色づけが行われます。

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スペクトル別着色画像

はじめに

 多様化・複雑化している世界で、人はいかにこの世界を理解し、調和を見出していくか、また、人と人が理解し合うことが出来るのか。このテーマは21世紀という時代において、重要なテーマだと思われます。
 GDVのコンセプトは、従来の東洋思想に似ており、人が自然や環境を理解し、調和することであります。現代医学のような専門知識や検査数値で健康状態を把握することは、私たちの健康を維持する上で大きな利益となりますが、これに固執し過ぎると、生命活動をしている"人間"という存在をありのままに理解することが出来なくなる可能性があります。
 私たちは、対象に対する正しい理解を無くして調和や進歩というものを得ることは難しいことです。既存の知識や技術を活かしながら、それらを"人"や"自然"に押し付けない、"人"や"自然"を尊重した技術というものが重要になります。
 私たちにとって、有益な環境づくりや生活様式を生み出すための技術としてGDVは一つの可能性を有しています。

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