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水は何色だろうか

コップに入れた水は無色透明なのに対し、海や湖は青く見えたり、黒く見えたりすることもあります。

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http://naturanon.exblog.jp/11457484/
コップの水

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http://toshi7toshi7toshi5126.ti-da.net/e2848443.html
青い海

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http://photozou.jp/photo/show/263824/25710022
黒い海

 これらの色の違いが生じる原因は、太陽の光と発色の関係にあります。太陽の光をプリズムに通すと、赤や橙、黄色、緑、青など、様々な色に分けられます。これらの色が混ざり合い、重なり合って、太陽の光は無色になっています。

 海や湖が青く見える大きな原因は、水分子が黄色や赤付近の光を吸収し、補色である青緑色の光が水中のゴミやプランクトンなどに散乱されて水面に出てくるからです。

 ゴミやプランクトンの少ない海は、透明度が高いために反射して返ってくる光がほとんど無く、結果的に黒く見える海になります。

美味しい水の条件

厚生省(現厚生労働省)では、1985年に「美味しい水研究会」を作り、専門家の意見を参考にしながら、日本の美味しい水の要件をまとめました。

蒸発残留物*30~200mg/L
硬度*10~100mg/L
遊離炭酸*3~30mg/L
過マンガン酸カリウム消費量(有機物量)*3mg/L以下
臭気*3以下(TON)
残留塩素*0.4mg/L以下

〔蒸発残留物〕
カルシウム、マグネシウム、シリカ、ナトリウム等のミネラルの含有量。
多すぎるとしつこく硬い味になり、少なすぎると淡白な味になる。

〔硬度〕
カルシウム、マグネシウムの含有量。まろやかな味になるかの指標になる。

〔遊離炭酸〕
水中の炭酸ガス。新鮮で爽やかな味を与えるが、多すぎるとビリビリした感覚になる。

〔過マンガン酸カリウム消費量(有機物量〕
水中の有機物(動物の排泄物・動植物の腐敗物質・肥料等)の量。
多いと水をまずく感じる。

〔臭気〕
水の臭い。排水や下水の混入等により生じる。

〔残留塩素〕
水中に残っている消毒用の塩素。

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これは日本の基準であり、欧米や欧州では条件や基準が変わってきます。日本は自然の水がほぼ軟水なので、欧州特有の硬水を飲むと「まずい」と感じることが多くあります。

水滴の形による発光の違い

 GDVで水を測定するとき、1mlのシリンジ(針なし)を用います。シリンジで適量の検体を吸い、シリンジ先端で水滴を作ります。この水滴に電磁場を適用させ、水滴から放出される発光を測定するのですが、この時の水滴の形によって、発光に違いが見られます。

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シリンジから水滴を出す時は上記の①②のような出し方があります。

①の時

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特に動画測定において、徐々にこのような花火のような発光が見られます。

②の時

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①でみられる花火のような発光は見られず、比較的発光の形が安定しています。

 検体を測定する場合は、水滴の出し方にも留意する必要があります。基本的に、水滴はマイクロピペットを用い、シリンジ先端に「つける」方法を用います。

「水に電気が流れる」とは

 「水に電流が流れる」とは、水中に含まれているイオンが電気を通すということです。水中のイオンは電気を運ぶ車のような存在です。例えば純水はほぼ電気を通しませんが、純水に塩化ナトリウムを加えると(塩水を作ってやると)、塩化ナトリウムは直ちにナトリウムイオンと塩化物イオンに電離し、これらのイオンによって電気を通すことができます。加える塩化ナトリウムの量が多いと、水中で電離するイオンの量も増えます。電気を運ぶ車が増えるので、たくさんの電気を流すことが出来ます。

 一方で、純水も全く電気を通さないわけではありません。水分子の数で考えると、水分子5億個あたり、1つの水分子が水素イオンと水酸化物イオンに電離しています。ですので、このほんの僅かなイオンによって、電気を通すことが可能です。

 GDVで純水に0.5秒間、電圧をかけ測定すると、ほとんど発光が観測されません(非常に僅かな発光が見られます)。ですが、動画測定(30秒以上、水滴に一定の電圧をかけ続ける)を行うと、発光が徐々に大きくなります。これは、長時間の電圧印加により、水滴の絶縁性が破壊され、どんどん電気が流れるようになる状態を意味します。

 純水より更に理論的な「水」に近い水を超純水と呼びますが、超純水は別名「Hungry water」と呼ばれ、どんなものでも溶かしてしまいます。超純水を実験で用いるはずが、測定環境を整えておかないと、超純水の物性はあっという間に変わってしまいます。実験に必要な水の取り扱いは充分に留意する必要があります。

水の精製法

 実験とは、「現象から推測される仮説をもとに検証を行う作業」です。その仮説が真実であるか証明するには、「一定条件で同一の現象を繰り返すことが出来る」こと、すなわち「再現性」が必要です。実験には水が用いられることが多く、水の純度によって実験結果に影響が左右されることも少なくありません。首尾よく実験するために、高い純度の実験用水を用いることが極めて重要になります。水の純度を高めるために、様々な精製法が存在します。

1. イオン交換法
〔定義〕イオン交換樹脂を用いる精製法
〔長所〕イオン除去に優れている・再生が可能
〔短所〕樹脂表面で微生物が繁殖する・再生に手間がかかる

2. 連続イオン交換(EDI)
〔定義〕電極・イオン交換膜・少量のイオン交換樹脂から構成されるEDIによる精製法
〔長所〕無機イオンの除去に優れている・イオン交換樹脂の再生が不要
〔短所〕樹脂の不純物付着を防ぐため、逆浸透膜による前処理が必要

3. 活性炭
〔定義〕活性炭(多孔性炭素質吸着剤)を用いた精製法
〔長所〕溶解有機物、塩素の除去に優れている
〔短所〕活性炭層内で微生物が繁殖する・吸着容量に限度がある

4. デプスフィルター
〔定義〕木綿やポリプロピレンなどの繊維を重ね合わせたフィルターによる精製法
〔長所〕目詰まりしにくく、汚れの保持力に優れる
〔短所〕圧力変動や流量変動により、粒子やフィルター素材が二次側に流出する

5. メンブランフィルター
〔定義〕窓の格子やふるいのような均一な構造をもつフィルターによる精製法
〔長所〕孔径より大きな分子(微粒子・微生物)を確実に捕捉する
〔短所〕目詰まりを起こしやすい

6. 限外ろ過膜(UF)
〔定義〕孔径100nm以下である限外ろ過膜を用いた精製法
〔長所〕エンドキシン、Rnase、コロイド状物質を除去できる
〔短所〕定期的に膜の洗浄が必要

7. 逆浸透膜(RO)
〔定義〕逆浸透膜というろ過膜を用いた精製法
〔長所〕無機物・有機物・微生物・微粒子を効果的に除去
〔短所〕精製された水の水質が原水の水質の影響を受ける

8. 脱気膜
〔定義〕脱気技術液体中から溶存ガスを取り除く技術
〔長所〕溶存ガスを除去する最も簡便な方法
〔短所〕真空ポンプや不活性ガスなどの機器が必要

9. 蒸留
〔定義〕物質の揮発性、沸点の違いを利用し、不純物を含む水から水を気化させて回収する精製法
〔長所〕水中の不純物を全般的に除去
〔短所〕精製速度が遅く、原水の飛沫同伴により水質が劣化

10. 紫外線(UV)
〔定義〕紫外線を照射することによる精製法
〔長所〕殺菌に有効で、有機物の酸化分解が出来る
〔短所〕後段でイオン交換樹脂などによる精製が必要

第二言語(英語)学習における不安に関するバイオメトリック評価

 バイオメトリクスとは、解剖学的・生理学的・心理学的特徴に基づいた記録方法である。バイオメトリクスのツールの一つとしてGDVが挙げられる。GDVは個々人の生理・精神情動に関する機能状態を評価するツールである。

 第二外国語の学習は、母国語としない言語を学習することであり、英語は現在の国際語であり、英語を習得するための方法が幅広く研究されてきた。アメリカ合衆国においては、多くの人が英語を母国語として話すが、留学生は大抵このような英語環境に置かれたとき、様々な不安を経験する。留学生の1/3~半分は、第二言語を習得する過程で不安を覚える状態を経験していることが最近報告されている。第二言語を学習することにおける不安という現象は、学習の達成や言語運用に否定的な影響を与えることが、研究により確認されている。

 この不安に関する評価方法は、心拍率や血圧のような生理測定法、行動観察、学習者へのインタビューやアンケートなどがあるが、ジャクソン州立大学では、先行研究を基に、GDVを使用することによって、第二言語習得における不安を定量化及び視覚化できることを仮説付けた。

 言語学習における不安とストレスのような精神情動の側面は、手の平や指の汗を増加させたり、筋肉の緊張などの生理レベルとして現れる。このような生理レベルを基に、仮説を検証するために、GDVを使用して、試験的研究を実施した。

〔GDV技術を用いるESL学習過程の試験的研究〕

 ジャクソン州立大学のESLI(ESL施設)のトルコ、ベトナム、中国出身の留学生4名が我々の研究に進んで参加してくれた。第二言語を学ぶ上で最も習得しにくいのはリスニング能力だという我々の推測に基づき、まず初めに聴覚理解不安の研究をすることを選んだ。この試験的研究における我々の仮説は、非ネイティブスピーカーである彼らは、特にリスニングセクションにおいて英語での言語作業に関連した不安の表現を増大させるだろうということである。全ての生徒は、ELSIのELSコースにおいて中級レベルで登録されていた。学生は治験審査委員会(IRB)に従って同意書にサインし、IRBのガイドラインに従って本実験の目的と進行が説明された。7名募集されたが、GDV測定の第一段階に参加したのは4名だった(実験プロトコルを理解できたのが4名だけだったため)。
 我々は、GDVによって学生の指先の周辺の電子光学放出の静止画をリスニング学習の前後に測定した。

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図1 リスニング学習を受ける前後の4人のESL被験者のアクティベーション係数の分布
(上から、被験者1、被験者2、被験者3、被験者4)

 画像の記録は、フィルター無・フィルター有で行われた。アクティベーション係数、インテグラルエントロピーという二つのパラメータが分析され、これらは学生被験者の不安測定のための潜在的指標として考えられた。
使用されたアクティベーション係数に基づく不安のスケールは0~10であり、これらは主に4つのパートに分けることが出来る:0~2(低レベルの不安)、2~4(通常レベルの不安)、4~8(高レベルの不安)、8~10(ディストレス、変性意識状態)。リスニング試験を受ける前後に測定した、4人の被験者のアクティベーション係数が図1に示されている。この図で見られるように、4人の被験者の内、3人のアクティベーション係数は、テスト前に高く、テスト後に低くなっている。3人のアクティベーション係数は、5.37から4.66(13%減)、2.43~2.13(13%減)、5.42~2.06(62%減)とそれぞれ減少した。4人目の被験者に関しては、アクティベーション係数は試験の後に増加した(2.97~3.28に10%の増加)。我々は、リスニング学習の後に値が上昇するという予測をしていた。しかし、4人の被験者のうち、3人はリスニン学習の後のアクティベーション係数の増加が見られなかった。

 したがって、使用したアクティベーション係数は、ESLリスニング学習における不安評価には使用することが出来ない。しかし、スピーキングやリーディング、ライティングのような他の言語活動のための不安評価の測定としてアクティベーション係数が使用できる可能性は無視できない。

 一方で、インテグラルエントロピーの分布は、見込みのある結果を示した。インテグラルエントロピーとは、生理的、または精神情動的な要素におけるバランスの逸脱の指標である。インテグラルエントロピーに基づくスケールは主に4つに分割される:0~1(低レベルの不安)、1~2(通常レベルの不安)、2~4(高レベルの不安)、4以上(非常に高レベルの不安)。図2に示されるように、人間の脳の右半球に対応する左手のGDV画像を使用することで測定された被験者4人全てのインテグラルエントロピーは、試験前に得られた値と比べると試験後に増加した。学生被験者のインテグラルエントロピーは、1.77~2.08(18%増加)、1.77~1.90(7%増加)、1.73~2.06(19%増加)、1.58~1.76(11%増加)とそれぞれ増加した。したがって、少なくとも我々の試験的研究における結果から証明できる、リスクニング学習における第二外国語として英語を学習する上での不安の測定としてインテグラルエントロピーを使用することが出来る。

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図2 リスニング学習を受ける前後の4人のESL被験者のインテグラルエントロピーの分布
(上から、被験者1、被験者2、被験者3、被験者4)

 不安の測定としてインテグラルエントロピーを用いる我々の選択は、複雑系の科学や第二言語習得における文献からの推察によって正当化される。最近の文献から、右脳は、あまり馴染みが無く、訓練をしていない言語の学習に関わっていることが発見された。

 ラーセン・フリーマンによると、言語学習とは、ダイナミック、複雑、オープン、自己組織的、感受性によるフィードバックプロセスによる奇妙なアトラクタによって構成されている。新しい言語を学ぶことは非線形的なプロセスであり、例えば生徒がなじみ深い言語を聞くと、言語運用に心地よさを感じるが、先生が新しい言語を導入する瞬間、学習の進歩を促すどころか生徒の言語運用は堪能さを失う。なぜなら、生徒が心の中で構成された言語システムが新しい馴染みのない言語の導入に集中しているからである。したがって、一定な期間は、不安というカオスの状態が頻繁に続く。特に、新しい単語が導入されたとき、生徒は認識と理解のために言語システムを調整しなければいけない。インテグラルエントロピーは、不安というカオスの状態について個々人の生理的及び精神情動的な面からの変動を評価する。

 最近の研究結果は、言語処理に関する堪能レベルは、脳の半球によって重要な違いがあることが示され、人間の右脳がより関わっていることが示された。したがって、経験や訓練の少ない第二言語学習者のエントロピーの増加に影響を与えることが示された。我々の試験的研究の結果は、上記の発見に実証的な証明をすることを前提としたもので、第二言語としての英語のリスニング学習が人間の右脳の機能を活性化していることを示す。人間の脳は、言語の意味や音声の特徴を分析する原因となる。

GDVの考え方

 GDVの考え方の基本は、バランスの原理となります。GDVの測定結果をどのように考えるかという解釈に関して、弊社のワークショップなどで、様々な内容が説明されていますが、原則として、バランスの評価ということになります。
 
 指の発光画像の視覚的診断の場合、それぞれの指の発光の幾何学的バランス、解析ソフトの一つであるGDVダイアグラムの場合、円に近いダイアグラム、時系列の診断をする場合も、一定のバランスを保ちながら、環境の変化に柔軟に対応していることが重要となります。
 
 人体は、適切な生命活動を維持するため、外的環境、人体内部の状況に応じて、
変化しています。客観的に見るなら、この変化は、全て人体に必要なために生じている ものであり、根本的に、健康と病気という善悪で判断することはできないところがあります。GDVは、この変化の一側面の観察を試みる技術で、現在における環境の適応性、生体の有する機能エネルギーを評価することを目的としています。
 
 このような観点から、東洋医学、またアロマテラピーやリフレクソロジーなどのセラピーなどの施術における生体への影響を評価する場合、GDVは非常に興味深い機器の一つだと思います。

ヘルスケアにおけるバイオエレクトログラフィック手法

ヘルスケアにおけるGDVの実用性を検討するために、2009年でアメリカで行われた実験を紹介します。

まず、GDVの主要なパラメータの信用性、再現性を検証するために、病気の無い健康な状態だとされる130名のGDV測定がされ、以下の3つの主要パラメータを算出しました。

①発光面積(Integral Area:IE)
②活性係数(Activation Coefficient:AC)
③エントロピー(Integral Entropy:IE)

GDVは、これらのパラメータの標準域を以下のように規定されています。
IA -0.6~1.0
IE  1.0~2.0
AC  2.0~4.0

今回の実験で130名のGDV測定から算出された3つのパラメータの平均値は以下の通りです。

AC 1.9

フィルタ無し平均値
IA 0.30
IE 1.99

フィルタあり平均値
IA 0.11
IE 1.98

IA、IEはパラメータの正常域と定義されている範囲内であり、ACは非常に近い値を示していることから、GDVのパラメータの信用性が認められました。

次に、130人の中で病気に罹るリスクを持っている2人と、持っていない3人とをGDV Diagramで比較しました。
*リスクを持っている2人:1日に20本煙草を吸う喫煙習慣のある人・ホルモンバランスが崩れている人

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ホルモンバランスが崩れている人は、目や耳、鼻、あごの洞、顎、歯、のど、気管、喉頭、甲状腺、および脳の部位の測定値が突出しています。
また、喫煙習慣のある人は、咽頭や甲状腺、また呼吸器の部位の測定値が欠損しています。

先行研究から考えても、標準域を越えて異常な数値が出ている人は、病気を発病するリスク抱えている可能性が指摘されています。

以上の結果から、GDVはヘルスケアにおける実用の可能性が認められました。

【文献】
タイトル Bio-electrographic Method for Preventive Health Care
著者   H. Cohly, N. Kostyuk, R. Isokpehi and R. Rajnarayanan

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供とその家族のGDV測定値の特徴

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供とその家族のGDV測定値の特徴

ASDの子供と、その両親、兄妹との間にGDV測定値の相関性はあるのでしょうか。
2009年4月、自閉症啓発ウォーキングに参加していたミシシッピー居住の6家族が選出され、実験が行われました。

 被験者は、軽度自閉症、またはアスペルガー症候群と診断されたことのある平均年齢9.3歳の5~12歳の範囲の男児(6名)と、彼らの兄妹、父親、母親の計24人です。

 結果として、ASDの子供、兄弟、両親の間に、以下の部位に発光の欠損が見られる共通点が発見されました。

■右手で発光の欠損が見られた部位
盲腸、虫垂、上行結腸、胆嚢、左腎臓、心臓

■左手で発光の欠損が見られた部位
下行結腸、S状結腸、直腸、左腎臓、腹部

測定値例 被験者の右手のGDV値

子供

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兄妹

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父親

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母親

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ファスティング(断食)

 私自身、断食というものを意識したことはありませんが、一定期間食べないことの効用を実感するときがあります。
 世間では、健康法として、またダイエットとしての断食法がありますが、私の場合、それらを学んでおこなったわけではなく、生活上や健康上、自然と食べない期間が続くいうケースがあります。この場合、完全絶食というより、二日ぐらいの間で、ごく少量の食事を一回、これを数回繰り返す、または数日、飲み物のみという状態で過ごします。この間は、普通に生活も、仕事もしています。

 私個人の断食の主な体験を以下に書きます。

1 身体の臓器が休息できているような感覚を覚え、
  この状態が普通ではないかと思える。
  日常生活で、一日に三食を食べているのが多すぎるように感じる。
  
2 デトックス作用が働いているのかもしれませんが、
  自分の身体が綺麗になった感覚を覚える。
  例えるなら、お風呂に入って、身体を洗った時や、
  洗濯したての服を着るときの爽快感に似ている。
  
3 心が安定して、物事に集中しやすい状態になる。

 私の場合、本格的な効果を実感し始めるのに、2~3日くらいかかります。

 共同研究先の大学の研究室の先生方が、生前の甲田光雄先生の断食道場に行かれて、断食されている方を見られた体験の話を何度かお聞きしたことがあり、例えば、末期癌の患者の延命、睡眠時間が3時間くらいになるなどのお話をうかがっています。先生方の断食道場でのご経験は、栄養学の観点から考えると、不思議なことだと話されていました。

 食養法や断食療法は、個人差があるものだと思います。日頃の生活習慣や体質などにより、同じ内容でも、人により、効果が変わってきたり、または害になることもあると思います。特に断食は、場合によっては、デメリットや危険性もあると思いますので、本格的な断食の場合、専門家の指導を仰ぐ必要があると思います。

 断食まではいかなくても、小食の効用を考えてみたり、半日だけのプチ断食をしてみるだけでも、快適で健康的な生活を送ることに、貢献できるのではないでしょうか。

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